幸せは苦みの後に

ヨガの根本経典「バガバッド・ギータ」には、日常生活をヨガ的にそして幸せに過ごす心得が記されています。その中の一説にこんな事が書かれています。


「純質的幸福とは、始めは毒の様に苦く、後に甘露の様に甘くなる」


純質とは、ヨガで言う理想的な状態の事を言います。最初は毒のように苦しみや悩み迷いを経て、そのうち毒を乗り越え苦味が甘露のように、うっとりとした甘美さがずっと続く幸福に変わっていく・・・。それが本当の意味での幸福だと経典には記されています。そして、逆に最初から甘美な幸せは注意が必要とも書かれています。


私達の多くは、苦しみはできるだけ避けたい、最初から喜びや楽しさの甘露を感じていたいと思いがちかもしれません。ですが、皆さんも毒のような苦しみだったけど、時が経てばその苦しみがあったからこその甘露のような幸福の思い出をいくつかお持ちだと思います。もしかしたら、なんで困難な苦しみや悩みが自分に訪れるのだろうと思う出来事は、末長く続く甘美な幸福の扉を開く鍵なのかもしれません。


1月13日、予定日を4日程過ぎた朝、妊娠中の妻にようやく陣痛がやってきました。仕事を終え、急いで家に帰ると陣痛の間隔がだいぶ短くなっていました。ひたすら1日陣痛に耐える妻を、僕は以前からネットで[妻が陣痛で苦しんでいる時に夫がやるべき10カ条]というのを調べていました。そこには「ひたすら夫は妻の腰を摩るべし!」と書いてあったので、私は妻の腰を痛みが来るたびに全力で摩っていました。夜中に陣痛が5分おきになったので病院に向かいました。ですが病院に着くと陣痛が遠のいてしまいます。自宅の方がお産が進むから帰宅してと助産師からの指示で、痛みの中家に帰る事に...。家に帰るとまた陣痛がやってくる!その度に私は妻の腰をとにかく摩りまくる!!何回痛みの波が来たのか、妻の腰に貼ってあった使い捨てカイロが摩る度に擦れて中身が出そうなほどでした・・・。


気付いたら朝でした。昼が過ぎ、その日の夜にようやく陣痛の間隔が短くなり病院で、もっと大きな陣痛が来るのを待ちます。また腰を摩ります!100回と全力でやっていると、普段からトレーニングをしているのですが腕が上がらなくなり、でも妻も必死で「もう少し上!」と注意を受けます(汗)。妻は勿論の事、右腕にとっても本当に毒のような痛み、二人とも体も心も痛みに耐え、まさに毒のような時間を過ごしました。


お産が進み深夜2時、分娩室へ。私達は和室でのフリースタイル出産を希望していたので部屋に行くと中央の天井からロープが吊るされています(the 大奥のような)。そのロープを掴んでとにかくいきみます!何度も何度もいきむのですがなかなか赤ちゃんは出てきません。フリースタイルでのいきみなので、私も足を押さえたり、いきみに一緒に参加しました。何度も何度も妻と一緒にいきみました。時計を見たら朝の6時になっていました。病院に来て11時間、私達はもう2日間寝ていなく妻の体力も赤ちゃんの体力も限界に達していました。


妻、私、赤ちゃん、医療スタッフ一丸となって大きな目標へ痛みの中真っ直ぐ向かっていき、朝6時33分ようやく出てきてくれました!!赤ちゃんは名前の通り真っ赤な色でとても小さな体です。「オギャー」と力強く泣き始めました。私は感動のあまり「やったー!!産まれたー!!!!」と大はしゃぎ、写真も動画も取りまくりました。妻が落ち着いた時に「泣いた?」と聞いてきて私は思わず「泣いてないよ」と言ってしまいましたが、目頭に熱い何かが流れていた事は秘密です。


私達にとってまさに毒のような2日間が過ぎ、ようやく天使のようにかわいい男の子が家族に加わりました、今思うと赤ちゃんにとっても毒の様に苦しい体験だったと思います。今では私達3人+犬1匹で毎日、甘露のような幸福を味わいながら新しい生活を楽しんでいます。そして家族が増えたことは経典に書かれている通り、永続的に続く甘美な幸せだと思いこれからもたっぷり味わおうと思います!

目の前に避けたくなるような毒のような苦しみが訪れた時には、一歩立ち止まってみませんか?もしかしたら、その苦しみは、これからはじまる幸福の扉へと導いてくれる可能性があるのかもしれません。幸せいっぱいの毎日に向けて、一見鍵とはわかりにくい苦い経験が鍵となる事もある事にいつでも気付ける自分でいたいものです。

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